家の売却理由が取引に与える影響は?理由を伝える場合の注意点も解説
家が売却に出される背景には、その家ごとにさまざまな理由があります。
しかし、売却理由の内容によっては、取引に少なからず影響を与えることがあるため注意が必要です。
そこで今回は、家の売却理由が取引に与える影響とよくある理由、売却理由を買主に伝える場合の注意点を解説します。
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家の売却理由が取引に与える影響
家の売却理由がポジティブなものであれば、買主にとって不安要素はなく、取引に与える影響もありません。
しかし、売却理由がネガティブなものだった場合には、買主が不安を抱き、取り引きに影響を与えることがあります。
売却価格が下がる
家そのものや周辺環境に問題があることが理由で家を売却する場合、売却価格に影響が出ることがあります。
ネガティブな要素が家の売却理由であれば、次に住む買主にとっても、魅力ある家とならない場合がほとんどです。
したがって、ネガティブな要素が気にならない買主が現れない限り、家は売れ残ることになります。
家が売れ残ると、新生活のスタートに支障が出るため、売却価格を下げて買主候補を探さざるを得ないのが現実です。
もちろん、買主候補から売却理由となったネガティブな要素について追及され、値下げ交渉を持ちかけられることもあります。
売却期間が長引く
売却理由がネガティブなものである場合、売却価格が下がるだけでなく、売却期間が長引くおそれもあります。
売却期間が長引きやすいのは、売却価格を下げても買主が付かないほど深刻な問題を抱えている家です。
深刻な問題を抱えている家は、周辺の似た物件より値下げしたとしても、買主が付かないリスクがあります。
家の売却理由を気にしない買主が現れれば取引は成立しますが、一般的に買主が付きにくい問題がある家は多少値引きした程度では売れにくいのが現実です。
家の売却理由は伝えなければならない?
家の売却価格が下がったり、売却期間が長引いたりするならば、売却理由自体を正直に伝えないほうが良いと思われるかもしれません。
しかし、家そのものや周辺環境などに問題がある場合、売却理由を隠してしまうと、大きなトラブルに発展するでしょう。
とくに、売買契約の意思を左右するほどのネガティブな要素を隠した場合、家の引き渡し後であっても責任を問われることがあります。
家の売却理由そのものではなくても、家の不具合などネガティブな要素については、契約書に記載しなければなりません。
万が一、契約書に記載のない不具合が発覚した場合、契約不適合責任を問われることになります。
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よくある家の売却理由と考えられる影響
家の売却理由がネガティブな場合、売却価格が下がり売却期間が長引くといった影響が考えられます。
具体的な理由とともに、その理由によって売却価格と売却期間にどのような影響が出るかチェックしてみましょう。
住宅ローンを払えなくなった
よくある家の売却理由として挙げられるのが、住宅ローンの返済が困難になったなどの経済的な問題です。
住宅ローンを利用するにあたり、生活への影響を考慮して、安定した返済が可能となるプランを考える必要があります。
しかし、勤務先の業績悪化による失職や収入減、住宅ローン契約者の病気や怪我による収入減といった事情により、毎月の返済ができなくなることは珍しくありません。
住宅ローンの返済ができない場合、金融機関に交渉をおこない、毎月の負担を減らせないか考えますが、収入回復の目途が立たなければ、家を手放すことを考える必要があります。
住宅ローンの支払いが困難であることが理由で家を売却する場合でも、金融機関の同意のもと任意売却ができれば、売買取引に与える影響はほとんどないでしょう。
ただし、ポジティブな理由ではなくネガティブな理由であるため、人によっては縁起が悪いと感じて購入をためらうなどの影響を与えます。
離婚した
家の売却理由でよく耳にするのが、離婚したといったものです。
夫婦が離婚に至った場合、財産分与のために家を売却することは珍しくありません。
離婚した夫婦のうち、どちらか片方が住み続ける意思を持たない限りは、2人で暮らした家は売却するのが一般的です。
このように離婚が理由で家を売却すると、住宅ローンの支払いができない場合よりも、ネガティブな要素は増加すると考えられます。
したがって、売却価格を下げたうえで買主を探さざるを得ないほか、売れ残りで売却期間が長引くなどの影響が出やすくなります。
転勤する
転勤や転職といった仕事の都合は、よくある家の売却理由です。
家族を家に残して単身赴任を選択される方がいる一方で、家族とともに新天地での生活を選ぶ方もいらっしゃいます。
とくに、元の居住地に戻る予定がない転勤であれば、購入した家を手放すことになるでしょう。
転勤や転職が理由の売却であれば、売却価格や売却期間に与える影響はほぼありません。
また、築年数の浅い家の場合には、有利な売却も期待できます。
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家の売却理由を伝える場合の注意点
住宅ローンなどの経済的な事情や離婚といった理由により家を売却する場合、売却価格や売却期間に影響を与えることがあります。
このほかにも、家の売却理由を伝える場合には、いくつかの注意点をチェックすることが大切です。
理由を言い換える
家の売却理由がネガティブな要素である場合、その理由を直接伝えずにポジティブにいい換えることが大切です。
住宅ローンの返済が困難となったことが理由で家を売却するとしても、返済滞納が発生したと伝えるのではなく、経済的な理由が原因だといい換えるのがおすすめです。
また、離婚が理由で家を売却するならば、家族構成が変わったと伝えると良いでしょう。
ネガティブな理由を隠すことに抵抗がある方は、ネガティブな事情を軽く説明したうえで、経済的に余裕を持って家族との生活を大切にしたいなど、ポジティブな理由を付けくわえるのがポイントです。
告知義務のある瑕疵は隠さない
ネガティブな理由はいい換えが可能ですが、告知義務のある瑕疵に関しては、そのまま伝えなければなりません。
告知義務のある瑕疵には、建築基準法を満たしていないなどの法律的瑕疵・事故物件などの心理的瑕疵のほか、シロアリや雨漏りなどの物理的瑕疵・周辺の嫌悪施設などの環境的瑕疵が挙げられます。
宅地建物取引業法において、こうした瑕疵は必ず報告しなければならないと定められていますので、隠すことはできません。
こうした瑕疵を隠したまま家を売却してしまうと、後から責任を問われるなどのトラブルが発生することが注意点です。
信頼できる不動産会社に相談する
ネガティブな理由で家を売却したいと考えたら、地域で信頼されている不動産会社にご相談ください。
信頼できる不動産会社に相談すれば、いい換えで伝えて良い理由と隠さずに伝えなければならない理由かを判断することができます。
そのため、理由を伝えて良いか迷う場合には、不動産会社へ包み隠さず相談し、担当者の判断を仰ぐのがおすすめです。
その地域で多くの経験を持つ不動産会社ならば、似た理由での不動産売買も多く手掛けているはずです。
家の売却理由を伝えることに不安をお持ちの場合は、あらかじめ不動産会社に相談して、売却方針を決めると良いでしょう。
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まとめ
家を売る理由によっては、売却価格が下がるほか、売却期間が長引くなどの影響が出ることがあります。
住宅ローンの返済が困難になったり、離婚したりした場合には、売却価格や売却期間に影響が出やすいことが注意点です。
ネガティブな理由をいい換えるなど、そのほかの注意点もチェックして、家の売却を進めてみましょう。
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