不動産投資で融資を受けたい!基本的な流れや条件とは

不動産投資で融資を受けたい!基本的な流れや条件とは

不動産投資をはじめるにあたって、ほとんどの方が金融機関から融資を受けることを検討しているかと思います。
しかし、不動産投資が初めてだと、融資を受けるためにはどうすれば良いのか、不安に感じる方も少なくないでしょう。
そこで今回は、不動産投資で融資を受けるまでの基本的な流れや条件、金利について解説します。

不動産投資で融資を受けるまでの基本的な流れ

不動産投資で融資を受けるまでの基本的な流れ

融資を受けるには、いくつかのステップを踏む必要があります。
また、ゼロから不動産投資を始める場合は、不動産会社が提携しているローンを利用するのが一般的です。
まずはじめに、融資を受けるまでの基本的な流れを、ステップごとに解説します。

1. 金融機関の選定

まず、融資を依頼する金融機関を決めます。
名前を伏せた「事前打診」を複数の金融機関におこない、ご自身の条件で融資が可能な金融機関を探します。
これにより、どの金融機関でいくらまで融資可能かが分かり、今後の計画が立てやすくなるでしょう。

2. ローン申請の準備

融資を依頼する金融機関が決まったら、申請前の準備をおこないます。
申請にはさまざまな書類が必要です。
必要書類の例は、以下の通りです。
物件資料

●投資物件の概要表
●家賃表
●建物図面と公図
●建築確認済証
●売買契約書と購入物件の契約書


「物件資料」は基本的に不動産会社が用意してくれます。
本人にかかわる書類

●身分証明書・印鑑登録証明書・住民票
●前年度源泉徴収票
●確定申告書(3年分)
●職歴書と勤務先の情報
●自己資金証明書


必要書類は金融機関によって異なるため、不動産会社に確認しましょう。

3. 審査申し込み

書類が整ったら審査の申し込みをします。
書類に不備がないことを確認したら、金融機関が信用情報機関に申請者の信用情報を照会します。
審査には数週間から1ヵ月ほどかかるでしょう。

4. 審査結果(融資決定)の通知

審査に通過すると、融資決定の通知が送付されます。
ただし、融資条件が希望通りとは限りません。
金利や借入期間が異なる場合もあるので、計画通りに進まないことも考慮しておきましょう。

5. 融資の手続き

審査に合格したら、融資の手続きをおこないます。
金融機関と「金銭消費貸借契約書」を交わすことで、融資契約の正式な成立です。
また、不動産を担保とする「抵当権設定契約」や「団体信用生命保険」の契約もおこないます。

6. 融資の実行・不動産の購入

契約書類を交わした後、融資が実行されれば、不動産を購入できます。
不動産投資の審査は、個人と投資物件の両方が対象です。
金融機関ごとに基準は異なりますが、健全な財務状況や事業計画はどこでも重要視されます。
どこが審査対象となるかを把握しておくことが重要です。

不動産投資で融資を受けるための条件

不動産投資で融資を受けるための条件

不動産投資で融資を受けるには、さまざまな条件をクリアする必要があります。
これらの条件は金融機関ごとに異なりますが、一般的な傾向として「返済能力が高い方」ほど融資を受けやすいです。
続いて、融資を受けるための一般的な条件と、審査に通りやすくするためのポイントについて解説します。

融資を受けるための条件とは

下記の条件を満たすことで、融資を受けられる可能性が高くなります。
年収400万円以上
金融機関によりますが、年収の最低基準はおおよそ400万円とされています。
個人事業主の場合は、総売上から経費を差し引いた所得が審査対象です。
安定した雇用形態
お仕事は、正社員であることが求められます。
公務員、医師、弁護士などの専門職は、特に安定していると見なされます。
勤務年数2年以上
勤務年数が長いほど信頼度が高くなります。
頻繁に転職している場合、返済能力に不安があると見なされることがあります。
健康である
健康状態が良好であることも重要です。
健康でないと働けず、返済が困難になる可能性があるため、団体信用生命保険の加入も難しくなります。
収益性の高い不動産への投資であること
収益性の高い不動産であることが重要です。
収益性が高いほど、返済能力が高いと判断されます。
高い担保価値のある物件
担保価値の高い不動産であることが求められます。
返済が不可能になった場合、金融機関は、担保価値の高い不動産を確保することで安心感を得られます。

審査に通りやすくするためのポイントとは

審査に通りやすくするためのポイントを見ていきましょう。
これらのポイントを押さえることで、融資審査に通る可能性を高めることができます。
属性を高める
審査で重要視されるのは、安定した返済が可能かどうかです。
これを判断するために、年収、勤務先、勤続年数、貯金などの個人の属性が重要となります。
勤務先についても、規模や資本金などから安定した企業であるかどうかが判断されます。
長い勤続年数は信頼度を増し、貯金はリスク回避のための重要な基準となるため、ローンを前に仕事を辞めたり、貯金を崩したりしないよう注意が必要です。
将来性のある不動産を探す
金融機関は不動産を担保とするため、収益力も審査基準となります。
収益力が高い不動産は評価が高くなり、審査に通りやすくなるだけでなく、融資額や金利に関する交渉も有利に進めやすくなります。
個人の属性も大切ですが、将来性のある不動産を選ぶことも、審査に通りやすくする重要なポイントです。
潤沢な自己資金を用意する
金融機関に十分な貯金があることを示すことは、有利な条件となります。
金融機関から見ると、滞りなく返済してもらうことが最も重要です。
貯金がある方は返済能力が高いと判断されやすいため、審査に通りやすくなります。

不動産投資では「固定金利」と「変動金利」どちらを選ぶべきか

不動産投資では「固定金利」と「変動金利」どちらを選ぶべきか

ローンの金利は、ご自身の不動産投資計画やリスク許容度に応じて、最適な選択をしましょう。
最後に、固定金利と変動金利のメリットとデメリットについて解説します。

固定金利とは

固定金利の場合、全期間固定金利のほか、3年、5年、10年といった期間を選ぶことができます。
固定金利でローンを組むと、指定した期間中は金利が変わりません。
固定金利のメリット

●返済額と金利分の支払いが事前に確定するため、資金計画が立てやすい
●将来金利が上昇しても、契約時の低い金利が維持される


固定金利のデメリット

● 変動金利の約1.5倍の金利が設定されることが多い
●金利が下がっても、その恩恵を受けることができない
●返済期間が長くなるほど、金利も高くなる

変動金利とは

変動金利では、金融機関が年に2回、4月と10月に金利の見直しをおこないます。
これは、その時々の金利政策に基づいて金利水準が変化するためです。
ただし、借主を保護するため、返済額は5年に1度見直され、その間に金利が変動しても返済額は一定です。
また、「125%ルール」により、金利見直し後の返済額が見直し前の1.25倍を超えないようになっています。
変動金利のメリット
契約時の金利が固定金利よりも低いのがメリットです。
低金利政策が続くと、支払利息の総額は固定金利よりも低くなることが期待されます。
変動金利のデメリット

●長期金利が上昇すると、固定金利よりも支払利息が多くなる可能性がある
●毎月の返済額が増え、利息分を支払いきれなくなる可能性がある

固定金利と変動金利どちらを選ぶ?

では、固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきでしょうか。
変動金利は長期金利の変動に左右されます。
不動産投資ではローンの返済期間が長期にわたることが多いため、20年後や30年後の金利を予測するのは困難です。
そのため、一概にどちらが良いとはいえません。
もし、不動産を近い将来に売却するのであれば、金利水準が低い変動金利を選ぶほうが、短期的には有利になる可能性が高いため、賢明かもしれません。

まとめ

不動産投資で融資を受ける基本的な流れは、金融機関の選定から始まり、ローン申請準備、審査申し込み、審査結果の通知、融資手続き、そして融資の実行と不動産購入です。
融資の条件には、年収や雇用形態、勤務年数、健康状態などがあり、属性を高めたり、将来性のある不動産を探したりすることで、審査に通りやすくなります。
固定金利と変動金利の選択は、長期的な経済予測が難しいため、一概にどちらが良いとはいえないため、投資計画に応じて決めましょう。